「当たり前のこと」と思って、特に違和感もなく楽しんでいたコンテンツが、誰かにとっての有害コンテンツになることがある。
ウマ娘という、実在の競走馬を美少女化したアプリゲーの公式が、遠回しに「キャラのイメージを損なうような2次創作の過激な表現はやめてくれ」と声明を出して物議をかもしている。逆に言うと美少女だったら何やってもいいという土壌があって、馬でさえ抗議の出る扱いを普段受けているということに…
— 志乃🐈誤ブロック多発 (@shinoegg) 2018年6月22日
ウマ娘の何が問題視されているかについては意見が分かれるところらしいです。
ウマ娘プロジェクトは、名馬たちの尊厳を損なわないために、今後も皆さまとともに競走馬やその活躍を応援してまいります。
引用元:応援してくださっているファンの皆さまにご注意いただきたいこと|ウマ娘 プリティーダービー 公式ポータルサイト|Cygames
美少女キャラ化による蹂躙から、名馬たちの尊厳を守ろうとする関係者たち。
「2次元と3次元をゴッチャにするな」と、よく言われるが、この場合はどうだろうか。
蹂躙されるキャラのモチーフは女性であっても、実在の女性ではないから大丈夫だろう、という建前がある。
実在の名馬を、関係者の事情に配慮せずに好き放題やってしまったから問題になったのであって、架空の馬をどうしようが問題はないはずだと言われれば、まあ確かに、3次元の馬は何をされようが怒らないだろうなと思う。
それとは別に、「架空の美少女キャラをどうしようが、何も問題ではない」という共通認識があるような気がする。
本当にそうだろうか?
そういうこと言い出したら、本当にやべえ女性蔑視表現が巷に溢れ過ぎていて、キリがない。どっかしら麻痺しているのは間違いないんだと思う。馬ですらこうやって尊厳を守られているのにな
— 志乃🐈誤ブロック多発 (@shinoegg) 2018年6月22日
わたしはオタク文化を愛しているし、可能な限り表現の自由が守られてほしいと願っている一人だけど、同じくらい(男女問わず)人権が守られ、犯罪が肯定されず誰の尊厳も踏みにじられない社会を願っているんだけど、どうしてすぐに0か100かの話になってしまうんだろうな
— 志乃🐈誤ブロック多発 (@shinoegg) 2018年6月22日
少女誘拐をモチーフにしたドラマ「幸色のワンルーム」が放送中止に
(あらすじ)14歳のある少女は、声をかけられた青年に「誘拐」された。少女と誘拐犯の青年は寄り添う生活で心を通わせ、徐々に絆を深める。生活に慣れると少女は「二人で逃げ切れたら結婚しよう、捕まったら一緒に死のう」と提案し、「結婚」を前提として「同居生活」を始める。
少女のストーカーだと自称する青年が、両親から虐待を受けて居場所を失った少女を誘拐し、一緒に暮らし始める中で心を通わせていくというストーリー。
誘拐というのは単なるレトリックで、実際は「毒親から保護した話」であって、誘拐を美化しているものではないという主張もあるようです。
《幸色のワンルームをクレームにより放送中止に追い込んだ女たちが、中止したら中止したで「英断だ」と認めることもせず、今度は「まるで私たちがクレーマーみたいじゃないか!」と批判して騒いでいる》とされ、ネットではずいぶんと話題になっていました。
ドラマの全国放送が世間に与える影響力を考えると、わたし個人としては、放送中止は妥当だったと思います。
過激で目立つ発言をする人間が「団体の象徴化」されるの、まあそういうもんだから仕方ないとはいえ、不毛だな…
— 志乃🐈誤ブロック多発 (@shinoegg) 2018年6月22日
その作品に感動し愛している人からしたら、放送中止に追い込まれてしまったことは、作品を全否定されたようで不快だろうとも思う。
(追記)「ドラマ化が中止」ではなく、制作局である関西では放送し、東京では放映中止が正しいようです。
なぜ私が「幸色のワンルーム」の全国放送が問題と感じたか
まあ、誘拐は誘拐だよね?
まず、日本の法律では、保護者の許可なく未成年者を連れ回したら、それは誘拐であって、毒親からの保護のつもりだろうが誘拐は誘拐。
毒親から未成年者を助けたいと思うのなら、然るべき手順を踏む必要があって、愛があるから個人の裁量ですっ飛ばしても構わない、なんてことにはならない。
「AVの見過ぎ」「漫画の読み過ぎ」で認知が歪む人もいる
創作物に影響を受けて、間違った知識のまま暴走する男性に、女性達は人生の中で何度も遭遇してきている。AVに影響され過ぎていたり、エロ漫画のファンタジーを真に受けていたり。そういう世の中で、少女誘拐を肯定的に扱う作品を扱うのはリスキーだと思う。ストックホルム症候群というのもあって…
— 志乃🐈誤ブロック多発 (@shinoegg) 2018年6月22日
ストックホルム症候群の存在
「愛があるから合意だ、だからOKだ」とするにも、ストックホルム症候群というものがある。突然、拉致監禁などの犯罪に巻き込まれた際に、被害者が極限状態の中で正常な判断力を失い、生き残るために加害者に好意を持ち始めてしまう現象のこと。
洗脳の恐怖‼︎極限の心理状態が作り出すストックホルム症候群とは? – NAVER まとめ
「被害者の女性も、俺のことを好きだと言っているから、これは合意だ」と簡単に言えるものではない。
拉致監禁されていた少女が、「女性の泣き声が聞こえる」という近所の人の通報により救出された、という一文だけのニュースに対して、「家出娘が合意の上で利用しただけだろ?保護してやったのに逮捕されるなんて、世の中狂ってる。ジジイやるな」と、被害者が誹謗中傷され、加害者が評価されている様も、見かけたことがある。
本当のところはわからないが、少なくても「通報されるレベル」の泣き声だったというのは確か。
「自分はそういう“作られたイメージ”や”先入観”に、絶対に影響を受けない」と、言い切れるんだろうか。
「漫画の力」を過小評価してはいないか
漫画を愛しているからこそ、漫画の力を知っている。漫画が世間に与える影響力を、無視するには無理があるのに、「大したことがない」と過小評価をするのはなぜなんだろう。
— 志乃🐈誤ブロック多発 (@shinoegg) 2018年6月22日
セクハラについて、年配のおじさんと、20〜30代男性とでは随分捉え方が違うな〜と感じることがあって、そういや昭和のバラエティ番組って当たり前のようにセクハラしてたな〜と思い出すなど。文化はメディアで作られる側面もあって、繰り返し刷り込まれる怖さみたいなものを感じる。
— 志乃🐈誤ブロック多発 (@shinoegg) 2018年6月24日
女性を「性的なものとして消費する」文化について気になり出すと、アレもこれもとザックザク出てきてしまって、ワーオという気持ち。少年漫画に出てくるヒロインが、当たり前のように性犯罪に遭っている(更衣室を覗かれる、胸を揉まれる、「読者サービス」のパンチラ等。「もぉ〜///」で終わり)
— 志乃🐈誤ブロック多発 (@shinoegg) 2018年6月24日
私が今ハマっているアニメの「ダリフラ」も、第1話を見た時点でその手の表現がてんこもりで、正直「うわぁ…」と思った。例えば、女性キャラが上官から思いっきり尻を揉まれるセクハラシーンがあったんだけど、今思い返しても、特別に必要なシーンだったとも思えない。何なんだろうな、あれ
— 志乃🐈誤ブロック多発 (@shinoegg) 2018年6月24日
※作品を全否定するつもりはなく、むしろ好きで毎週楽しく見ています。
世界基準ではもう色々アウト
セカオワが世界では女性差別的とされる表現をセットに使って、韓国で炎上。日本では麻痺していて「これぐらい普通」「ただの文化の違い」感じる人が多数。だけど2009年から国連人権理事会から何度も注意されてることでした、と。
— 志乃🐈誤ブロック多発 (@shinoegg) 2018年6月16日
「僕は差別なんてしていない」
「ええ知ってるわ、あなたがそう思っていることは」という有名な会話があるけども、差別ってだいたい無自覚だったり、無頓着だったりするんだよね。「過敏だ、勘違いだ」と主張するにはもう無理があって、世界から取り残されている。— 志乃🐈誤ブロック多発 (@shinoegg) 2018年6月16日
「世界ではアウト」な女性差別的表現が日常にあふれまくっているのが、日本の現状。それが普通だと思って疑問に感じる人も少ない。それどころかこうやって指摘された時に、むっとする。
— 志乃🐈誤ブロック多発 (@shinoegg) 2018年6月16日
エヴァのセリフの中で、「みんな、人を殺すことに慣れてないもの」というのがあるんだけど、「みんな、加害者の立場になることに慣れていない」のかもしれないな、ということを、ぼんやり考えた。
— 志乃🐈誤ブロック多発 (@shinoegg) 2018年6月24日
で、こういうことを「ちょっと待って。よく考えたらおかしくない?」とか言い出すと、オタク界隈から袋叩きにされてしまう可能性もあって、益々なんか変だよなあという気持ち。
— 志乃🐈誤ブロック多発 (@shinoegg) 2018年6月24日
「女=エロ」が馴染み過ぎていて「…ちょっと待って?」がとても言いづらい
なんつーか、「この手の話をすると激しくバカにされる」ってことを、ある程度覚悟しないといけないんだよね
— 志乃🐈誤ブロック多発 (@shinoegg) 2018年6月24日
Youtubeが大好きな6歳娘用に、フィルタリングかけたアカウントを作って見せてるけど、性的な広告が普通に出てきて困る。局部を隠したら18禁じゃないみたいな認識、どうにかならんものか…。広告元のアカウントをブロックしてもあんまり意味なかったんだよなあ…
— 志乃🐈誤ブロック多発 (@shinoegg) 2018年6月23日
露出した美少女キャラが、プレイヤーにセクハラされて頬を赤らめながら照れ笑いするソシャゲの広告とか…。言い出したらキリがないけどフィルタかけてても出て来るのが困っちゃうのよね
— 志乃🐈誤ブロック多発 (@shinoegg) 2018年6月23日
「不潔よッ、キーーッ!!」って怒ってる保護者認定されそうだけど、キッズ用に制限かけているはずなのに、美少女のパンツがどうのとガンガン出てくるのを見ると、「麻痺しちゃってんのかなあ」としみじみと思う
— 志乃🐈誤ブロック多発 (@shinoegg) 2018年6月23日
※よりフィルタリングが強い「キッズYouTube」というスマホ用アプリがあるようです。フィルタリング機能を過信してしまった結果、もはや手遅れのような気がしますが、今後はそちらの利用も検討したいと思っています。
無菌状態で子どもを育てたいという話はしていないし、そんなことを望んでもいないのだけど。
性犯罪を身近に感じ、成人男性を信用しない女児たち
いまや、小学生も当たり前にネットを利用する時代。
女子児童が「ロリコン」「変態」「性犯罪」を、私達の世代よりも、はるかに身近に感じていて、成人男性を信用せず、警戒心を強めている。
その方が、犯罪に巻き込まれる危険性は下がる。
「(男性ってだけで)児童に声かけただけで事案として通報される」って、まあそうなっても仕方ない背景があるんだよね…
— 志乃🐈誤ブロック多発 (@shinoegg) 2018年6月24日
これを「そうなっても仕方ない、あなた方には、それだけの加害性があるんだもの」で済ませると、今度は男性側の人権はどうなるんだって話で。
誰かの人権が守られる時、誰かの人権が侵害されると考えるか、相手の人権を守ることで、自分の人権も守られると考えるのか。
— 志乃🐈誤ブロック多発 (@shinoegg) 2018年6月24日
「ちょっと考え直さない?」はどうやったら伝わるんだろう
「ヒステリックでうるさいババアがまたなんか言ってる」という印象で終わらせず、このへんのことを嫌味なく、ヒステリックでもなく、わかりやすく、論理的に淡々と、そのへんのことを文章にまとめたいところだけど、常に炎上&誹謗中傷のリスクと隣り合わせで、何かと難しいんだよねえ。
— 志乃🐈誤ブロック多発 (@shinoegg) 2018年6月24日
「親にとって都合の悪いもの、気に入らないものを、排除しようとしている」わけではなくて、「ちょっとタガが外れ過ぎている部分を、落ち着いて考え直してみない?」みたいなアプローチの方が、すんなり届くのだろうか?
— 志乃🐈誤ブロック多発 (@shinoegg) 2018年6月24日
この社会から、女性を性的に陵辱する表現を、完全に排除できると思っている女性の方が少ないのでは。
「せめてコンビニのエロ雑誌コーナーを何とかして欲しい」とか
「せめて電車の中吊り広告で、性犯罪を誘発させそうなものを外して欲しい」とか、そういう「ささやかな願い」を、声を荒げて伝えるしかないという現状。
それを例えば、「ブルマ」が廃止され、現代の少女たちが安心してスポーツに打ち込めるようになったように、少しでも良い方向に変えていけないだろうか。
※余談ですが、そのブルマも、もともとは女性解放運動から生まれたもの。ラピュタのドーラおばさんが履いているような形のもので、下着のようなデザインではなかった。いつの間にか露出度の高いものに変化し、女性を苦しめるものとして廃止されるとは、皮肉なものですね。
メディアが作る“イメージ”とその影響力
「女性の権利を訴える女=ヒステリーで神経質」という”作られたイメージ”。
イメージによる力は、とても強い。
メディアが与える力は、とても強い。
「子どもが真似する?親がしっかり躾をすればいいだけだろ、責任を放棄するな」という声が聞こえてきそうですが。
傘を使った「アバンス○ラッシュごっこ」や「牙○ごっこ」を、母親から「やめなさい!」と言われて素直にやめたことがある者のみ、石を投げなさい、というやつだ。
※るろう○剣心もダ○の大冒険も、素晴らしい作品です。
昭和の時代、メディアに影響を受け過ぎて、狂信的に危険な行為に至る民衆をメディアを通して見てきた人も多いのでは。メディアの影響力を重く受け止め、自殺に関する報道が厳しく規定されていることも知られていますね。
正直言って、親としてどうするのが正しいのかわからない
子どもは家庭だけで育てるものではなく、環境にも大きく左右される。
子どもには子どもの自由意志があって、親が介入すべきではない領域もある。
毒になるものを排除するより、適度に与えて免疫をつけさせた方がいいこともあるだろう。
子どもが摂取するものを制限したって、限界はあるし、力ずくで抑圧したものには必ず反動がある。
小学校での教育方針を見ていると、わたしたち世代の教育とは明らかに人権意識について変化しているのがわかる。
急激な時代の変化の中で、保護者としてのあり方が問われている。
男女差別をいけないことだと教育しながら、「男の人を信用しちゃダメよ」と教育しなければならない矛盾。
どこかで折り合いをつけていくしかないんだと思う。
誰かの人権が守られる時、誰かの人権が侵害されると考えるか、相手の人権を守ることで、自分の人権も守られると考えるのか。
— 志乃🐈誤ブロック多発 (@shinoegg) 2018年6月24日
手塚治作品の中には、「今だったら完全にアウト」な表現が「悪気なく」登場している。「今だったらアウト」という共通認識がある時点で、それだけ漫画を取り巻く諸問題も、確かに変化しているんだろう。
「当たり前だったこと」に違和感を持つのは難しい
何が正しいかなんて分からないけれど
「当たり前のもの」としてコンテンツを享受する前に、少しだけでいいから、立ち止まって考えてみて欲しいと思ったのでした。
なにかと悪役にされがちだけど、私の少女時代に、漫画とゲームがなかったら今頃どうなってたかわからん…と思うくらいには存在に救われた
— 志乃🐈誤ブロック多発 (@shinoegg) 2018年6月23日
私は女の体に生まれて、女児を産んだけど、男の体に生まれていたら、同じことを考えただろうか…
— 志乃🐈誤ブロック多発 (@shinoegg) 2018年6月24日
立場が変われば、「守りたいもの」も変わる。
尊重して欲しければ、相手のことも尊重しないといけない。
被害にあっているのは、別に女性だけじゃない。
誰の人権も尊重されていない日本社会。
親の一人として、大人は子どもたちに「人権の大切さを伝える」責任があると感じる。
社会の大きな変化の中で、親としてできることは限られている。
どうにもならない部分を嘆くより、どうにかできることを考えるしかない。
世界のなかで、女性差別が深刻なレベルだとされる日本。
その日本を選んで、娘を育てている自分の責任について考える。
これから、どうなっていくのかな。
大人として、これからの子どもたちに、一体何ができるのかな?
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