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天才と凡人のあいだ ~私が気分安定剤を飲みたくない理由~

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天才と呼べるほど突起した能力もなく、凡人と呼べるほど平均的でもなく、

健常者と呼べるほど一般的でもなく、障害者と呼べるほど困難さを抱えてもいない。

 

アインシュタインや坂本龍馬が、発達障害を抱えていたという説がある。

いっそ能力が思いっきり尖っていれば、開き直って武器にもできるものを、中途半端さが一層、生きづらさを深めていく。

現実問題、私と同じようなタイプが多いのかもしれない。

 

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精神科に行ってきた

ずっと行きたくないと思っていた。

薬には極力頼らずに、なるべく特性を生かす方向で考えていたし、緑内障の傾向がある場合、代表的なADHD治療薬が2つとも服用に注意が必要だったりと、理由は様々あるけれど。

現状のままでは、一般的な家事・育児などの「母親業」をこなすことが困難だと感じ、薬の服用を検討してみることにした

 

…のだが。

 

 

以前、発達障害者支援センターで受けた、WAIS-Ⅲの診断結果を見せたところ。

 

「……うーーん、確かにそれっぽさもありますが、ADHDなのかな…」

 

おっと?

雲行きが怪しくなってきやがった。

 

 

ある日突然、「ADHD当事者ママの~」という枕詞が、私のプロフィールから一斉にスッと消えてたら察してください。

 

「お仕事は何をされてらっしゃるんですか」
「えーー…と、あの、一応、エッセイストのようなものを…」

「えっ!どんなことを書かれるんですか?」

「……それがwww発達障害の当事者としての心情をですねwwwww」
「えwwwwwwwww」

「ファーーーーーーーーーwwwwww」

「あっれ~~、来るとこ間違えちゃったねwwwwww」

 

先生、笑いごとじゃない。

 

 

医師と2人で面白くなっちゃって、つい大爆笑してしまいましたが、全然笑いごとじゃないですね。なんか面白くなっちゃったんですよね。

 

冗談はさておき。

以前受けた講座の、成人ADHD第一人者の精神科医によると、発達障害はまだまだ研究途上の分野で、知識不足であったり、取り扱っていない精神科医院も多く存在する。診断した医師によって大きく診断結果に差が出るのも、よくある話のようだ。

判断が分かれるところなので、セカンドオピニオンも盛んに行われている。

ただ私の場合、確かにその傾向があるにはあるが、現状の困難さを引き起こしているのは、ADHD特性よりも「双極性障害」の症状なのではないかという話にもなり、そのへんのことも含めて、後日詳しく検査をしてみることとなった。

 

ADHDと作家性

ADHD治療薬には、「コンサータ」と「ストラテラ」があり、コンサータの方は12時間で薬の効果が切れるため、切れた時間を創作時間に費やすなど、ADHD特有の「アイデア力・ひらめき力・創造性」をうまく利用する手もあるらしい。もちろん、副作用には個人差もある。

実際、それらを飲み始めてから、思うように創作活動ができなくなり、活動を続けることを断念せざるを得なくなったクリエーターの話を、確かな筋から聞いたことがあり、服用にあたって、ある程度の覚悟は必要なんだろうなと思った。

いっそ私が天才だったら、多少のことでは揺るがないのかもしれない。

天才と言えるほど秀でているわけでもなく、凡人と呼べるほど平均的でもない。

全てが中途半端で、あるもので勝負をしなければならない状況において、薬で欠点を抑え込むよりも、個性として開き直った方がいいというのは、目に見えて明らかだろう。

じっくり時間をかけて、トライアンドエラーを繰り返し、自分に合う薬を探すという道も、もちろんあるが。

双極性障害と気分安定剤とわたし

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人間の心は、盛り上がったら盛り上がっただけ、盛り下がるようになっている。浮かれたら浮かれた分だけ、後で派手に凹むため、なるべくハイになり過ぎない方がいいと分かっているが、衝動のまま浮かれポンチになる自分を抑えられない。

この「うつ期」の症状を抑えようと思った場合、飲むのは気分安定剤になるようで。理由は、抗うつ剤を飲んで、「躁鬱」の「躁期」に働いてしまった場合、とんでもないことになってしまうとのこと。

以前、双極性障害の疑いがかかり、気分安定剤を飲んだ時の苦い記憶がよみがえり、複雑な気持ちになった。

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当時の主治医に「生きている気がしないので飲みたくない」と伝えると、「皆さんそうおっしゃいます」と、困ったように笑っていたっけな。

最高にハイな気分を味わってきたため、平たんな状態がとても苦痛に感じる。

ジェットコースターの刺激に慣れているのに、強制的に延々とメリーゴーラウンドに乗せられるような、そんな感覚。

 

確かに波がなだらかになれば、私の精神状態に、自分も周囲も振り回されることがなくなりそうだ。

でも、「わたしらしさ」は、どこへ行ってしまうんだろう。

 

飲みたくない。けど…

最初に戻るが、なんで受診を決めたかというと、「母親業」に困難さを感じているからで。私が私らしくある時、夫や、娘や、親族に迷惑をかけてしまうのではないかという不安が常にある。

「ねえ、好きに生きたらどうなるの?」「母親だから無理だよ」
...

 子どもを理由に使いたくはないが、「普通の母親」を目指す道も諦め切れない。

「何事も、いいとこ取りなんてできないわよ。」という言葉が、何度も頭の中をリフレインする。

わたしは一体、どうなりたいんだろうね。

 

ただ今回、通院を始めたことで、自問自答だけではなく、専門家と相談ができるようになった。まずはそのことを、自分で褒めてやりたいと思う。

全ては、ここからだ。

コメント

  1. ラミクタール、一昨年くらいから?認可された躁鬱の安定剤(もともとは癲癇の薬)で字重篤な発疹の副作用がでる可能性もあるので徐々にしか増やせませんが、それ以外の副作用はなく、唯一妊娠しも奇形にならないお薬で、躁鬱の波をおだやかにするという意味で、わたしはⅡ型ですがすごくよくきいています。副作用?で睡眠障害が出るので睡眠薬と、頓服用に少量のデパスを持っていますが最近は落ち着いていて通常時はデパスなしでも大丈夫です。自立支援医療を受けると1割負担になりますし、社会復帰のための生活支援施設(リワーク施設)もあり、私は今復職に向けて通っていますが、通常の社会復帰プログラムに加えて集団認知行動療法、キャリアの棚卸し、自己分析、疾病理解(座学と同じ病気の人との情報交換)等かなり充実しており、自治体で通所が認定されれば1割負担で通えるので薬物療法が安定してきたらリワークで認知行動療法を行うことが再発防止にかなり貢献するように思います。ママさんも通われてますよ。双極の治療、寛解までお薬飲むのは長いですが、悪くないですよ。良くも悪くも元々の性格やキャラは変わりませんし、、、

  2. 私も仕事でや子育てで問題を抱え、ADHDの検査に通うことになりました。
    まだ2回しか通っていませんし、検査も1回しかしていません。
    自分自身で悩むのではなく専門家に見てもらって答えを出したい、もし治療法があるのなら治療をしたいと思いつつも、志乃さんが冒頭でおっしゃったように突出した困難がなければ解決法なんて見つからないのではないだろうかという不安も抱えています。
    心のどこかでADHDであろうとなかろうと、「特性」というものは誰でも持っていて、皆対策しているのだから、対策していない自分が甘えているだけなんじゃないかとか。
    今までは自分の水にあった場所を探すことで生きてきたけれども、子育てはそういうわけにはいかないですからね。
    なんとか今の場所で生きていけるような方法を探っていきたいと思っています。

  3. 凡人じゃん、あなた。

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