今回は、ご自身に対して双極性障害とADHDを疑っている方から、こんなお悩みご相談メールをいただきました。(いつもありがとうございます)
【お悩み相談No.10】感情の起伏が激しく、自分の本心が分からない。
衝動性と気分の浮き沈みが激しく、ADHDと双極性障害を疑っているシングルマザー。
初めまして。
最近志乃さんのブログを見つけて拝読させていただいている、二人の子持ちのシングルマザーです。
このたび彼氏の暮らす県へ、子連れで移住したのですが、うつ病になってしまいました。
うつになった原因に心当たりがなかったので、ネットや本を読んで探っていくうちに、私は昔から思い立ったらすぐ旅に出たり、転職や引越しをするところがあったり、何でもできる高揚感に包まれたと思えば、一気に落ち込むというのを繰り返していたことに気づき、うつ病のほかに、ADHDや双極性障害を疑うようになりました。
また、移住に伴い、それまでのびのびと働けていた、クリエイティブな仕事から離れ、彼の家族経営の会社に転職し、事務職として働き始めたことも、ストレスの原因だと思います。単調な入力作業や電話応対など、苦手な仕事にうまく対応できず、相談相手もいなかったので、どんどん自分の仕事の出来なさに落ち込んでいきました。
彼と今後もやっていく気持ちも薄れ、地元へ帰りたいと何度も思ってしまいますが、私の都合で子ども達を振り回すわけにもいかず、踏みとどまっている日々が続いています。(途中、自分の特性を生かせる仕事を任されたことで、意欲と活力を取り戻し、うつ病も、彼への気持ちも、一気に回復したように思えましたが、それもその仕事が終わると、1ヶ月も続きませんでした。)
私が今1番困っていることは「何が自分の本心なのか分からないこと」です。
「彼が大好き!会社も私の手で大きくしてやる!」という気持ちから一気に、「彼のどこを好きになったのか分からない、私には務まらない、地元に帰りたい」というところまで、たった2〜3週間で変化してしまうので苦しいです。
薬を飲めばこの中間の私になれるのか?
でも、(薬で特性を抑えた)中間の私には何の取り柄もないのではないかと不安でたまりません。
本当の自分はどのラインなのか?
恋愛感情までコロコロと変化してしまうことがあるのか?
志乃さんご夫婦はご結婚前までどのように絆を深めていかれたかなどをテーマに記事を書いていただけたら助かります。
この歳でADHDか双極性障害かもしれないと感づいた時のショックは大きく、疲れきった脳で必死に検索した時に、症状を明るく面白く、それでいてご自身を可能な限り客観的に捉えて、聡明で読みやすい文章を書かれている志乃さんのブログにたどり着けて、嬉しくて嬉しくて涙が止まりませんでした。
これからも応援しています!!私も自分らしく笑える日が来ると信じてがんばります!!
(※頂いたメールを文字数の関係で要約・整理させていただきました)
Yさん、こんにちは!メールありがとうございます。
まずはお礼を言わせてください。ちょうどブログを続けていく意味を見失いかけていた時にこのメールを戴いたので、とても嬉しかったです。ありがとうございます!
さて、お悩みの件です。
まず、「薬を飲めば、中間の私になれるのか?、飲んだら私には何の取り柄もなくなってしまうのでは?」についてですが、Yさんはおそらく、私が以前書いた「気分安定薬を飲むことへの不安」についての記事をご覧になった上でのご質問だとお察しします。
その後、実際に飲んでみて、どうなったのかについては、近いうちに別の形でご紹介しますね。
今回は、「気持ちがコロコロ変わって困ってしまうこと」について、お答えします。
えーー、一言で申し上げますと。
わかる。
わかるよその気持ち。わかりすぎるほどに。わかりすぎるほどに分かるよ。
学生時代、自分から「つきあってください!!」と交際を申し込んでおいて、その数週間後には
「……好き、とは……?」
と、恋愛感情の定義について、真剣に考え出すということを繰り返していたよ。
ひどい時には、付き合うと決まった翌日に「ごめん、昨日のやっぱナシで」とお断りしたこともあったよ!!!!我ながら、ど畜生だね!!!!???
そのことについて、わたしなりに考えてみたことをお伝えしますね。
気まぐれ?そんなつもりも、悪気もない。悪気がなけりゃ許されることでもない。
はたから見たら、「鬼のように気まぐれ」な状況なんですけど、その時々で自分なりに真剣に向き合っているつもりなんですよね…。
相手からしたら、私たちは毎回「本気でそう思っている」という風に見えるのに、数週間後にはコロッと考えが変わっていたりするので、さぞわけが分からないでしょうね。
「どういうこと?いくら何でも、気まぐれ過ぎない?無責任じゃない?少し前はああ言ってたじゃん、なんで?」と他人から思われるし、自分でも自分にそう何度も問いかけてみるんだけれど、考えても考えても「自分でも自分の本心が、よく分かりません。」としか答えようがない。
Yさんは、上の漫画の仮説の中で、どれが1番しっくりきましたか?
それとも、どれもしっくりきませんでしたか?
私は自分で書いておいて何ですが、「どれもしっくりくるし、どれもピンと来ない」といった感じです。
悪気はないのに、大事な人たちを振り回してしまう苦しみ
その時々で「言動の責任」や「周囲への迷惑」を考えながら、本気で問題に向き合っているつもりなのに、いつも気がついたら自分のせいで大事な人たちを巻き込んでしまう。
そんなことは望んでいないのに。
「役に立ちたい」という気持ちも、「自由になりたい」という気持ちも、どちらも本心だからこそ、選べない。
選べないから、いつまでも自分の中の矛盾と戦い続けることになる。
自分が暴走しがちだということも理解しているから、何かを決断する時も、「私のせいで振り回すわけにはいかない」と二の足を踏んでしまう。
「子どもたちを巻き込みたくない」と思うからこそ、「自分の気持ち」は自然と後回しになる。
本当に責任感がなかったら、自分の気持ちより他人の都合を優先しようとしない
Yさんは、「思い立ったらすぐ旅に出かける」ほどの行動力と、強い衝動性を持ちながら、今はお子さんたちのために、理性で封印している。
本来のYさんは、身軽な状態なら自分の心に正直に、いつでも飛び出していける方なのではないでしょうか。
でも、母親になったらそうも言ってられない。自分の都合で、子どもに迷惑はかけられない。
わかります。
「私が頑張ればいいんだ。ここから逃げ出したいけど、周りのためにも、そんなことを思っちゃいけない。」という気持ちが、Yさんの「自分のためだけの願い」を、心の奥に押し込めているんじゃないのかな、と私は勝手に思ったりもしましたが、どうなんでしょうか。
実際のところは、Yさん自身が、ご自身の胸に問いかけてみるしかないんじゃないのかなと思います。
自分の選択に責任を持つということ
Yさんの場合、ストレスを軽減させる方法は、とても分かりやすいですね。
「事務職を辞めて、クリエイティブな仕事に復職する」。
地元に帰るなら、転校するお子さんのサポート方法を考えるとか。
彼や彼のご家族に、きちんとお詫びを言うとか。
その時は、勢いで彼の近くへ引っ越してしまったことを反省して、教訓にするとか。
(Yさんの場合、理性もなく勢いだけで突っ走る方ではないようなので、次に同じようなことがあっても、踏みとどまることができるのではないでしょうか?)
不安定にはなるけれど、自由が手に入る。
彼のそばで働き、結婚するのなら、うつや劣等感を抱えながら生活していくことを覚悟する。
その上で、どうやったら少しでも生活が楽になるのかを考え続ける。
あなたの精神状態が悪化することによる、子どもたちへの影響も考える。
責任は重いけれど、安定した生活は手に入る。
やっちまったものは取り返せないので、どちらを選ぶとしても必要になるのが「不利益をこうむる覚悟」。
いいとこ取りはできないので、どっちを選んでも、メリットとデメリットがある。
デメリットへの覚悟を決めて、その対策を考える。
2者択一ではなかったりする
また、「地元に帰るか、帰らないか」の2択ではなかったりもしますよ。
地元に帰るかどうかは、ひとまず置いておいて、彼の近くに住みつつ、職場は別にするとか。
「異性として好きか」「興味ないか」は置いておいて、彼と彼の家族に対して、家族愛があるのかどうかを考えてみるとか。
お子さんと同じくらい、彼と彼の家族が大切だと思えるかどうか。
どうせ苦労するのなら、あなたと、あなたの家族が、笑顔で暮らせる方法を考えてみる。
私は赤の他人なので、無責任にこんなことが言えちゃいます。
Yさんは、「何もかもが自分に都合よく、全てがうまくいくなら」どうしたいですか?
今より楽しく生きるための課題は、なんだと思いますか?
そのために今できることは、なんでしょうか。
「本当の私のラインはどこ?」
ありません。
私たちには、たぶん、ありません。
すべてひっくるめて、両極端なのが、Yさんなんだと思います。
私たちは、揺れ動く自分自身すら、そのまま認めていく必要があるのかな、と(私は)思っています。
どうやったって、周囲を振り回してしまうなら、そのためのケアを考えていけばいい。
振り回してもそばにいてくれる人に、心からの感謝を伝えるのが大事。
私はそう思いますよ。
「志乃さんご夫婦はどうやって絆を深めていったの?」
ここで、スペシャルゲストをご紹介します。
どうも、旦那です。
いつもお世話になっております。
「志乃さんご夫婦は、結婚前にどうやって絆を深めていったのでしょうか」という質問が来ています。
……絆?
絆。
うーん。
うーん。「ただ一緒にいること」で自然と培ってきたような気もするけど…
ふたりとも、やさしい心を持っているからじゃないの?
ヤダ素敵////そうかも〜♡
………うーーん。
うーーん!?
深く考えるのはやめよう
「彼への気持ちがコロコロ変わって困っている」んだって。私はいま、自分でも驚くほど(あなたへの恋愛感情が)出会った当初から安定しているんだけど。何かとグラグラしている妻に対して、気をつけていることは何かあります?
えーーー/////
なぜ照れる…?
それは言えない
なんでだよ!!!そこ!そこ聞きたいと思うよ!!!?
…えぇ〜〜、そんな〜、本人を目の前にして言えないよぉ〜〜 ひ、み、つ❤️
腹たつわぁ…
じゃあ、特に気を使っているわけじゃなくて、常に自分のペースでいる感じ?
いやいや、色々めっちゃ気を使ってるよ!特に「常にニュートラルでいること」は心がけてる。
なるほどな〜〜。2人でグラグラしてたら大変なことになるものね。
志乃さんは、恋愛感情が不安定というか、「見捨てられ不安」による、情緒不安定が大きかったよね。
見捨てられ不安とは、文字通り、見捨てられたくないといった強い不安を持っているという心理的な問題です。見捨てられたくないと思っている相手は、友人だけでなく恋愛の相手、配偶者などパートナーである場合も多くみられます。
(中略)
見捨てられ不安の原因は、人間関係に関する慢性的な不安や喪失感です。具体的に多くみられるのは、幼いころの親子関係がうまくいかなかった場合です。乳幼児期に密着した関係を築くことができず、特に母親から愛情を受けられなかった場合など、「無条件に愛された」「安心感をもらえた」ような経験がほとんどなかったり、少なかったことで起こります。
一緒にいたいからこそ、このまま一緒にいるのが怖いっていうのはあったかも。自分の中の矛盾で、足元からグラグラしてた。いつも逃げ出したかった。
だから、結婚前までにどうやって絆を深めたかというより、「結婚したから安定した」よね。
たしかに、それはある。身柄を引き取ってもらった安心感というか、居場所をもらえたというか。ひとまずは、ここにいてもいいんだなと思えたし、いつまでも仲良く一緒にいるために、自分にできることは何かを考えるようになった。見捨てられ不安は根強く残っているし、今でも時折、すごく恐ろしくなるけど。
……ほんと、よく私と結婚しようと思ったね。勇気がいることだったと思うけど。
おもしろいから。
……
………
いつもお世話になっております。今後とも何卒、宜しくお願い申し上げます。
はい。
なんだこれ。
この会話、いる?
この会話、何かの役に立ちました??
立ってないかもしれませんが、結局は相性と、お互いのお互いへの気遣いが大切なのは間違いないかなと思っています。
あんなに「わたし、本当に彼氏のことが好きなのかな???」と悩んでいたのに、不思議と旦那に関してはそういう感情を抱くことがなく、10年経っても素敵だなと思います。
これまで付き合った人たちは、好きかどうかを悩む時点で、相性が悪く、あんまり好きじゃなかったのかもしれないと思いますし、運命の人ではなかったのかもしれないな、なんて非科学的なことを考えたりもします。
相手あってのことですから、自分の気持ちの問題だけではないのかもしれませんよ。わかりませんけどね。アハ!
さて、ここまで無責任に色々と書いてみましたが、いかがでしたか。
結局「わたしの考え」でしかないので、Yさんは、Yさんの胸に問いかける必要があります。
Yさん自身の願いは何なのか。
Yさんの周りの、いちばん大切な人を幸せにするために、今出来ることは何なのか。
「こう!」と決まれば、恐れも不安もふっとび、楽しそうな世界へ一直線に走っていけるのが私たち。
衝動性と行動力は、私たちの長所でもあるから。
Yさんが、少しでもハッピーな現実を引き寄せられることを、ここから応援しています。
きっと、うまくいくよ。
がんばれ。
いや、一緒に、がんばっていこう。
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