どうも。望月志乃です。
「自分は発達障害ではないか」と感じ、生きづらさを抱えているのは、大人だけではありません。
成人していれば自由に通院できますが、そうではなく親の保護が必要な場合、なかなか簡単にはいかないようです。
今回は、精神科だけに関わらず、産婦人科などの受診に悩んだ時にも役立つ情報をお届けします。
- 【お悩みvol.10】 未成年だが1人で精神科に行きたい。親にバレないように受診することはできますか?
- 未成年が、1人で精神科に行っても大丈夫?
- 親に、精神科に行ったことがバレると困るのですが…
- 健康保険証を使わないと、金額はどうなる?
- 親へ医療費通知が届かないようにする方法はありますか?
- 保険証の通知(医療費通知)で、どんなことが分かるの?
- 病院を選ぶ時に注意すること
- 総合病院を受診する前に知っておくべきこと
- 診察料を含めた合計金額のめやす
- 発達障害の診断時に、保護者同伴を求められるケースが多い
- ひとりの大人として、お勧めする方法
- 未成年が1人で悩んで困った時の相談窓口リスト(匿名OK)
- 【まとめ】かかる費用・流れ・注意事項について図解にしてみた。
【お悩みvol.10】 未成年だが1人で精神科に行きたい。親にバレないように受診することはできますか?
いつもブログ読ませていただいてます!
私は現在未成年ですが、ADHDの診察を受けたいと思っています。
未成年が1人で行っても、精神科を受診することはできますか?
受診した場合、親に連絡が来たりするものでしょうか?
また、診察費用はどのくらいでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
「精神科に行きたい」というのを親に話すのって、とても勇気がいることだと思います。
スンナリと現実を受け容れられない親御さんもいるでしょうし。
発達障害に対する誤解や、偏見も根強くあって、理解を得られるとは限らないですものね。
質問者さんと同じように、「親にバレないように、1人で精神科を受診する方法はないか」と考える未成年者が多いようなのですが、詳細も分からず、問題解決への一歩をなかなか踏み出せない様子。
そこで今回は、「未成年でも1人で精神科を受診できるのか」「できたとして、費用はどうなるのか」を、私なりに調べてみました。
あくまでも目安ではありますが、すこしでも参考になれば幸いです。
未成年が、1人で精神科に行っても大丈夫?
精神科に限らず、医療機関では一般的に15歳までは「小児」として扱われることが多く、中学校を卒業する頃には、大人と同じ扱いになるようです。
ツイッターで情報提供を募ったところ、「未成年のうちから、1人で問題なく精神科を受診できた」という体験談を複数いただきました(ありがとうございます)。
ただ、「年齢」と「病院による」ところが大きいようなので、事前に病院へ確認を取ってみてください。
多少、勇気がいるかもしれませんが、事情を説明すれば受け入れてくれる病院もあります。ダメ元で聞いてみる価値はあると思います。
親に、精神科に行ったことがバレると困るのですが…
健康保険証を使った場合、「いつ、どの病院に行ったか」が、分かるようになっています。
親の扶養に入っているでしょうから、保険証を使うと、扶養者にはがき等で通知が届くようになっています。
ただ、親御さんが余程マメな性格でもない限り、隅々までチェックするということはそうそう無いかと思いますが…、万が一でもバレたくない場合、注意が必要です。
健康保険証を使わないと、金額はどうなる?
保険証を使えば、3割負担(70%OFFの金額)で済むところ、100%の金額を自分で払うことになります。
具体的な金額の目安は、のちほど図解で説明させていただきますが、毎回の診察料・検査代・薬代に関わってきます。
一度や二度の受診ならともかく、毎月利用するとなると、未成年には厳しいかもしれませんね…。
親へ医療費通知が届かないようにする方法はありますか?
調べてみたところ、ありました。
「重い病気にかかってしまったことを、家族にはまだ内緒にしたい」等の理由から、通知の差し止めを希望する方もいるんだとか。
最寄りの役所にて、「家族にはどうしても知られたくないので、保険証の通知が行かないようにして欲しい」と相談すると、内容によってはストップしてくれる場合があるようです。
1人で役所に行くのが不安であれば、まずは県や市のホームページから、近くの役所の電話番号を調べてください。書いてある代表番号へ電話をかけて「健康保険の係につないでください」と言えば、相談窓口に案内されます。
未成年でも対応してくれるかどうかは分かりませんので、まずはお住まいの自治体に、匿名で問い合わせてみてください。
(2019/4/4追記)
国民健康保険に加入されている方であれば、役所の健康保険担当課でOKですが、
それ以外の方は加入されている保険組合に相談・問い合わせする必要があります。
手元に保険証がある場合、大抵は保険組合の連絡先がついているかと思いますので、そこに問い合わせてください。
保険証の通知(医療費通知)で、どんなことが分かるの?
医療費通知とは、健康保険がどれくらい使われているのかを、保険加入者に知らせるためのものです。
医療費通知に記載されること(※)
- 受診年月(いつ)
- 病院名(どこで)
- 金額(いくら使ったか)
記載されないこと
- 受診した診療科(何科を受診したか)
- 検査内容(どんな検査をしたか)
- 治療内容(どんな処置をしたか)
※加入している組合によって異なりますが、一般的には年に2〜3回、上記の内容が記載されるケースがほとんどのようです。
病院を選ぶ時に注意すること
要するに、病院名が「〇〇メンタルクリニック」や、「〇〇精神科・心療内科」というところに行ってしまうと、病院名でバレバレということですね。
逆にいうと、親に通知が行ったとしても、「何科を受診したか」までは分からないので、精神科のある、大きな総合病院に行くという手があります。
自分の健康状態を正しく知るためにも、まずは総合病院の小児科や、内科を受診して、医師に状況を相談し、指示に従うのが良いでしょう。
総合病院を受診する前に知っておくべきこと
総合病院を受診するには、かかりつけ医からの紹介状が必要です。
紹介状にかかる費用は、住んでいる自治体や年齢、病院によってまちまちですが、保険証を使えば、だいたい2〜3千円ほど。
紹介状がなくても受診はできますが、総合病院を受診した時に、特別料金として➕5千円ほどかかってしまいます。
診察料を含めた合計金額のめやす
いつもの内科(または小児科)に紹介状をもらいに行った場合の金額
内科の診察代(無料〜3千円くらい)➕紹介状(2〜3千円くらい)=内科で払う金額
内科で払った金額➕総合病院の初診料=合計金額
紹介状をもらいに行かず、直接 総合病院に行った場合の金額
総合病院の初診料(無料〜3千円くらい)➕特別料金(5千円くらい)=合計金額
発達障害の診断時に、保護者同伴を求められるケースが多い
発達障害の診断には、生まれてから今までの歴史を詳しく調べる必要があり、そのために幼い頃からのあなたをよく知る、保護者の同伴を求められることがあります。
私が受診した際には(成人していたので事情は違うかもしれませんが)、これまでの通知表や、母子手帳を持参するように言われ、親の同伴は特に求められませんでした。
事情によっては、対応してくれるかもしれません。
ひとりの大人として、お勧めする方法
おそらく「お金があれば、受診できなくはない」けれど、その費用を捻出するために、親に内緒で良からぬことに手を出したり、無理をして体を壊すようなことがあってはいけませんよね…。
まずは身近な大人に相談してみて、その都度アドバイスに従うのが一番かと思います。
「それができたら、苦労しないよ」と思う方も多いかもしれませんね。
でも意外と、相談窓口は色々あるんですよ。
児童相談センター(児童相談所)に相談すると、児童精神科医が勤務していて、そのままつなげてくれることもあります。
そのほか、ツイッターで情報提供をお願いしたところ、病院や、処方箋薬局や、役所にお勤めの方、そして児童を支援する立場の方々からの、「大丈夫ですよ」という温かいコメントがたくさんありました。
相談してみると、意外と柔軟に対応してくださるかも。
1人で悩んで精神科に行く前に、まずは匿名で電話してみてはどうでしょうか。
未成年が1人で悩んで困った時の相談窓口リスト(匿名OK)
電話相談窓口
- よりそいホットライン
(無料・匿名でかけられる電話相談窓口。※つながりにくい…) - チャイルドライン
(18才以下のための無料電話相談・チャットでも相談OK)
SNS・チャット相談(LINEで相談OK)
近所で直接、話を聞いてくれる場所(秘密は守られます)
- 児童相談センター
(児童精神科医が勤務していて、相談にのってくれたりする) - 保健所
- 地域子ども家庭支援センター
- 精神保健福祉センター(こころの相談ができる)
- 少年サポートセンター(警察関連。犯罪などのトラブルに困ったら)
市役所・区役所・町役場などにあります。
正面入り口から入ると、だいたい案内してくれるガイドさんがいます。
まずは電話してみるといいかも。
住んでいる市や街の名前で検索してみてくださいな。
参考:子どもがそうだんできる電話や場所の情報 – 子ども情報ステーションby ぷるすあるは
参考:子供のための相談窓口(福ナビ-とうきょう福祉ナビゲーション)
【まとめ】かかる費用・流れ・注意事項について図解にしてみた。
これまでの説明を、一枚にまとめてみました。
1人で精神科を受診することを、大人として推奨はしませんが、誰にも頼れずに、どうしても困ったら、お役立てください。個人的な利用であれば、印刷して使ってくださって構いません。
※金額は診療内容、薬の量、住んでいる地域や年齢などによって変わりますので、あくまで目安です。
※図は、発達障害の治療として精神科を受診した場合のものです。
※製作者(望月志乃)の許可なく、無断転載・無断加工するのはおやめください。
この記事が、少しでもあなたのお役に立てれば幸いです。
意外と大人は力になってくれるぞ!!
変な大人もいるけどな!!!
スローガンは《めげずに探そう、身近な大人》!!!
あなたのご武運を、心から願っています。
コメント
こんにちは、いつも楽しくblog読ませてもらってます。
ADHD&双極性2型です。(4歳男児がいます)
私も高校1年の時にひとりでメンタルクリニックにかかりました。
両親は自分にあまり関心がなかったので、病院に行っても何も言われる事がありませんでした。
ただ、ちゃんとした診断で治療や生活しやすさを考えて下さる先生なら、親御さんに同席して欲しいと言うと思います。
私もその後、他の病院で両親同席をお願いされました。先生としては今の状態と今後の方針、親の影響などを見たかったんではないかと思います。
10代1人で障害や病気と向き合うのは、本当に大変だと思います。
親御さん協力できるか(向き合えるか)というのも、ご本人で確かめるのも大切だと思うし、無理なようなら他に理解や援助してくれる人を探すのもいいと思います。
私は母に相談したら「私も病気にされるから行きたくない」と言われてしまったので、ズルズル引きずりました。
もし今の時代に生まれていたら、こうしたいというので載せてました。
色々迷っても彼女の判断が一番だと思うので大丈夫ですよー
貴重なお話をありがとうございます