うつ病を自称する人が、「何もやる気が起きない」と言いながら、好きなことを思いっきり楽しんでいた。
その様子を、それによって迷惑をかけられている立場のあなたが見てしまったとして、あなたはどう思いますか。
タイミングが悪かったのかもしれない。
もしかしたら、考えも足りなかったのかもしれない。
どちらにせよ、心情として「面白くない」ことは誰の目にも明らかです。
そして、うつ病の当事者たちも、それはよく分かっていて、誰かのそんな「面白くない」という発言を目にするたびに、自分のことのように思って、萎縮したり、無理して悪化させたりしてしまうことがある。
今日はそんなお話。
「うつ病のくせに」という誰かの言葉に怯える毎日
主治医に「好きなことして休んでください」って毎度言われてたけど、周囲にこう言われるのが怖くていつもビクビクしてたなあ。悪気はないんだろうけど、こういう言葉が追い詰める >RT
— 望月志乃🌞ADHDだヨ!全員遅刻 (@shinoegg) 2016年7月3日
【鬱レベル順】うつ病が回復するまでに私が試した7つの対処法【行動編】 – ひびわれたまご / https://t.co/VuPzwbgJnb
この記事でも書いたけど、「好きなことをのびのび楽しんだら周囲から責られるのでは…」と不安な時は、隠れてこっそりやればいいと思う— 望月志乃🌞ADHDだヨ!全員遅刻 (@shinoegg) 2016年7月3日
「うつ病の人は、無気力で何も出来ない状態」っていう知識しかないから、こういうことになってしまうのかな。実際は波もあるし、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、「できること」を少しずつ増やしていく感じ。できることは、まず「好きなこと」から。だから、好きなことが出来るのは良いこと
— 望月志乃🌞ADHDだヨ!全員遅刻 (@shinoegg) 2016年7月3日
熱が下がるみたいに、ある日スッキリ治るなんてことはなくて、うつ病はジワジワ治っていくものなのに、誰もその「中間」をイメージしないんだよな。うつ病と聞くと、1番重い状態を常にイメージされて、そのように振る舞うことを期待する不思議。中間がね、あるんですよ…
— 望月志乃🌞ADHDだヨ!全員遅刻 (@shinoegg) 2016年7月3日
むしろ、その中間がやたらと長い。
自分でも、治ったんだか、治ってないんだか分からない状態が、延々と続く。
「自分はもう、うつ病なんかとっくに治ってて、甘えているだけないんじゃないだろうか!?」
「趣味なんて楽しんでる場合じゃないのでは!?」
「スイマセン本当にスイマセン」という気持ちとの、長い長い闘いが待っている。
そんな時に「うつ病なのに好きなことは出来るんだ?(もう治っているんじゃないの?)」とか、「もう随分治ってきたみたいだから、あれもこれもしてみたら?」と周りから言われて、自分でもそう思ってしまったり、周囲の目を気にしたりして、無理をしてしまい悪化させてしまう…。
わたしの時は、そういうことの繰り返しでした。
この記事で以前お伝えした通り、色々試してみたけど結局『好きなことして寝てるのが一番』だったってのが、この話のキモ。
「好きなことをするのは許されないことなんだ」と追い詰められる
知らないのは仕方ない。経験しないと分からないことだから。よく知らない病気について安易に発言をしないで欲しいとも思うが、それもまた、仕方ないのかもしれない。ただ、うつ病の人は「そうじゃないんだ」と反論しづらいし、真に受けて追い詰められるというのは知っていて欲しい。
— 望月志乃🌞ADHDだヨ!全員遅刻 (@shinoegg) 2016年7月3日
「そんなつもりで言ってない」というのも、治った今なら分かる。
まっただ中にいる時は、ひたすら脅威でしかありませんでした。
「悪気はないんだろうけど」&「仕方ないと思う」とも書きました。心情として理解はできるけど、そういう揶揄が当事者を追い詰めるのもまた事実です
— 望月志乃🌞ADHDだヨ!全員遅刻 (@shinoegg) 2016年7月4日
現在進行形で、うつ真っ只中の人に言いたいのは、こういう書き込みを見ても「あ〜、またか」くらいにしか思わない日が、そのうち来るよってこと。わたしが今そう。どんまい。
— 望月志乃🌞ADHDだヨ!全員遅刻 (@shinoegg) 2016年7月3日
気にしないで済む日は来るので、それまでなるべく、悪影響から遠ざかって欲しい。
「なんちゃってウツ」かどうか、素人には判断できない
「本当のうつ病の人」に対して批判はしてない、と多くの人が言うんだけど、うつ回復期にいる人は、「詐病の人」と素人目には区別がつかない。当事者も常に自分を詐病だと疑っているので、そういう類の発言を見かけると、萎縮したり、無理をして病状を悪化させたりする。
— 望月志乃🌞ADHDだヨ!全員遅刻 (@shinoegg) 2016年7月4日
おそらく「本当のうつ病の人」に対して「詐病だ」とレッテルを貼っている場合もある。
「迷惑をかけている人」の前で、のびのびとやらなければいい?
これは本当に、そうでしょうね。
先にも書いた通り、隠れてコッソリできる分には、何も問題がないと私は考えていますが、実際のところ、「全関係者に対して、自分は迷惑をかけている」と妄想するのが、うつ病のよくあるパターンだったりもします。
「迷惑をかけている人」とは、「家族」も含まれます。
まず家族の前で、好きなことを、楽しむことができなくなります。
フォロワー等、ネット友達も当然、含まれます。
自宅静養をしている場合、ここで逃げ場がなくなります。
迷惑をかけていない人なんていない、と本人は思っているので、「自分に関わる全ての人(ヘタすると全人類)」が対象になってしまいます。
もっと言うと、誰も見ていなくても、自分が見ています。
そしてこの自分が一番やっかいです。
自分を騙し騙し、治療を続けていかなければならないので、
つまり、常に萎縮して行動せざるを得なくなってしまうのです。
受け手側にも問題はあるが、それもうつ病の症状のうち
こういう『うつ病を自称する割に元気そうだな』という類の発言を見て、(たとえそれが自分に対して言ったものではなくても)、自分の身の回りの人達も、実はそう思っている(そう思ってしまう)のでは!?と妄想してしまい、気持ちがどんどん追いつめられていきます。
言ってしまえば、被害妄想なのかもしれません。
でも、そういう病気なんですよね。
病気によって、そういう考え方をしてしまうんですよ。
「詐病する人が悪い」とか、誰が悪いという話よりも、症状としてそういうものがあって、軽い気持ちで発した言葉が、どこかのうつ病患者を追い詰めることもあるということを知っていただきたくて、書きました。
一人でも多くの方が、開き直って闘病生活をエンジョイできますことを、心から願っています。
最後に
ツイッターにて、まるで個人攻撃のような流れ・書き方になってしまいました。「よくあること」として書き、特定個人に向けて批判する意図はございませんでしたが、配慮不足でした。この場をかりて、深くお詫び申し上げます。
コメント
はじめまして。私はうつの症状が出ている大学院生です。
この記事がすごくためになりました。今現在起き上がれない時間が増えていて、困っていたのですが、記事を読むと気分が楽になりました。
忘れていた休み方を思い出す手がかりになりました。ありがとうございます。