注意欠陥・多動性障害(ADHD)とは
発達障害の一種。困り度合いは、環境や個人差によるところも大きい。
かなりざっくり言うと、脳の仕様で「うっかりさん」な人達のこと。苦労や苦手なことも多いけど、ここぞという時の集中力や、ヒラメキで活躍したりもする。一説によると、漫画家さんや作家さんに多いとか。
ADHDな自分が大好きな時もあれば、大嫌い過ぎて人生をさっさと終わらせたくなる時もある。「ふつうの人」には出来ないことが出来たりするので、それを長所として活躍できる場や、安心できる居場所をどうやって得るのかが重要だと思う。#ADHD啓発
— 望月志乃🌞ADHDだヨ!全員遅刻 (@shinoegg) 2016年10月1日
発達障害は「よくないもの」なのか?
生まれつきの脳の仕様を、「ネガティブなもの」としてしまったら、死ぬまで卑屈でなければならなくなる。もしお子さんに発達障害があると分かっても、持って生まれたものを、どうか否定しないであげてほしい。同じ親としてショックを受ける気持ちも分かるけど、認めてもらえなかった苦しみも知っている
— 望月志乃🌞ADHDだヨ!全員遅刻 (@shinoegg) 2016年10月1日
持って生まれたものをポジティブに受け止めて、生きていきたい。ただそれだけのことなんだけど、それが難しいんだよなあ。
— 望月志乃🌞ADHDだヨ!全員遅刻 (@shinoegg) 2016年10月1日
この記事を読んだ方はこちらも読んでいます
「ADHDだから」出来ることも確かにある
私は出産の時、「いつ終わるか分からない連続した激痛の波を待っている状態」が耐えられなくて、気を紛らわせるために実況ツイートを連投した。あれよあれよという間に、驚くほど沢山の方に見守られることになって、出産が終わった時は、日本中から祝福のお言葉をいただいた。(続く)
— 望月志乃🌞ADHDだヨ!全員遅刻 (@shinoegg) 2016年10月1日
ADHDの中には、「いつ終わるか分からない状態」で、「ただじっと待っている」ことを、苦痛に感じるタイプがいて、別の行動で紛らわそうとすることがあります。それが、ウロウロと動き回ったり、空気を読まずに喋り続けてしまったりと、人によって取る行動は様々ですが、わたしの場合は、「ツイートする」ことで解消することが多いです。
その時に、「すごい」「普通そんなことできない」というご意見をたくさん頂いて、(…え、なんで?すごい??何が???みんな出来るでしょ???)と、その時は全く意味がわからなかった。今にして思えば、ADHDのなせる業だったんだろうなと思う。
— 志乃@アイコン変更 (@shinoegg) 2016年10月1日
当然、批判もあったけど、あの騒動があったから今の私があるし、あれからたくさんの暖かい励ましや、お礼の言葉をいただいたりした。「自分が当たり前だと思っていることは、他の人にとってはそうじゃない」ってことを知ったし、ADHDだからこそ出来ることがあると確信した。
— 志乃@アイコン変更 (@shinoegg) 2016年10月1日
ADHDの検査で分かったこと・感じたこと
この出産騒動のあと、数年経ってから受けた検査によって、平均よりも頭の回転が速く、瞬発力があり、言語で表現する能力が発達していることが分かりました。
同時に、「自分ではどうしようもできない欠点」も数値として目に見える形で知らされることにもなりましたが、「自分は普通の人よりも劣っている、取り柄なんかない」と感じて暮らしていた中で、何よりこの「数値で表れた長所」が、客観的事実として証明されたようで、とてもうれしく、生きる励みになったのを覚えています。
ADHDであっても、社会に貢献することはできるし、活躍できる場さえあれば、この特性が武器になる。卑屈になっていたら、自分の可能性を、自分でつぶしてしまうと思う。
— 望月志乃🌞ADHDだヨ!全員遅刻 (@shinoegg) 2016年10月1日
ただ、感じ方は人それぞれであり、その時に本人が置かれている環境にもよります。
理想は、それぞれの欠点も含めた「多様性を認め合える社会」だが…
陣痛をツイート実況したことを例にとっても、自分のやったことを好意的に受けとめてくれる人ばかりではないし、それもあって然るべきことだと思います。
何度も書いていることなんだけど、「多様性を認める」ってことは、「自分らを認めない者がいる社会」をも認めるってこと。色んな人間がいて、社会は成り立っている。共存するってことは、そういうこと。他人を認める力は、自分を認める力と同じもの。
— 望月志乃🌞ADHDだヨ!全員遅刻 (@shinoegg) 2016年10月1日
迷惑をかけた相手に、「わたし発達障害あるんで!サーセン!!」と言って済むかというと、相手からしたら、たまったものではないし、それを免罪符として「全て許容されるべき」と主張することが、正しいこととは思わない。
結局、何が良くないかって、社会全体の「余裕のなさ」だと思うんだよなあ…という、いつもの結論。
— 望月志乃🌞ADHDだヨ!全員遅刻 (@shinoegg) 2016年10月1日
自己責任論で、誰もが余裕をなくし、ギスギスしている今の社会で、もっと世の中をギスギスさせたがる人が絶えないのは何故。
— 望月志乃🌞ADHDだヨ!全員遅刻 (@shinoegg) 2016年10月1日
「ざまあみろ、自業自得、勧善懲悪だ」って、そんなふうに人を裁けるほど、現実世界は単純じゃない
— 望月志乃🌞ADHDだヨ!全員遅刻 (@shinoegg) 2016年10月1日
人間なんて愚かなもので、完璧な人なんていないのに、「他人の間違いを許すな」と声を荒げる人が絶えないのは何故。
— 望月志乃🌞ADHDだヨ!全員遅刻 (@shinoegg) 2016年10月1日
自分の身を脅かす存在をも認めろというのも、難しい話で。現に私だって、うまく出来ていません。
発達障害者を取り巻く環境
子ども時代を思うと、今の私はかなり恵まれている。「そばにいて欲しい人(パートナーや家族)が、自分の特性を認めてくれる」という、ただそれだけのことで幸せを感じる。逆にいうと、それが果たされない環境は、孤独で地獄だ。そして、その生き地獄の真っ只中にいる人が、世の中にはたくさんいる。
— 望月志乃🌞ADHDだヨ!全員遅刻 (@shinoegg) 2016年10月1日
「なんでADHDの検査を受けようと思ったんですか?」とよく聞かれて、「自覚はあった。確認のため」と答えている。で、何で確認しようと思ったか。「もし娘に遺伝していたら」と考えたから(※一説です)。自分のことを知り、それでも前向きに人生を楽しむ背中を見せる責任があると思った。
— 望月志乃🌞ADHDだヨ!全員遅刻 (@shinoegg) 2016年10月1日
また、前にも書きましたが、「何で自分はこうなんだろう」という自己嫌悪や、自責の念との闘いなので、診断結果という第三者からのお墨付きがあるかないかは、かなり大きな差であると感じています。
己を知らないと、身の丈に合わないことをしてしまうし、結果、責任が取れないことをしてしまう。2人目も欲しかったけれど、もし自分に発達障害があって、遺伝するという説も存在するなら、事実を知らないといけないと思った。
— 望月志乃🌞ADHDだヨ!全員遅刻 (@shinoegg) 2016年10月1日
尚、娘に遺伝しているかどうかについては公言していませんし、今のところ、するつもりもありません。様々な考え方があるでしょうが、そうであっても、そうでなくても、本人の意思や、今後の時勢によると私は思っています。
「世の中はクソ」なのか?そうだとして、ならなぜ子どもを産むのか
「こんな世の中はクソだ」「産まれてこない方がいい」という大人がいる。それでも産もう、産みたいと思った時、親が子どもにあげられる最大のギフトは「それでも人生は楽しめる」というメッセージだと思う。
— 望月志乃🌞ADHDだヨ!全員遅刻 (@shinoegg) 2016年10月1日
今、ADHDを持って生まれた子ども達に何が出来るんだろうね。たぶん、それは、今の世間や当事者の家族に、自分の親がしてくれなかったことへの哀しみや恨みの感情を訴えることでも、敵意を向けることでもない。ただ、それでも人生は楽しめるというケースを紹介できたらいいなと、わたしは思う。
— 望月志乃🌞ADHDだヨ!全員遅刻 (@shinoegg) 2016年10月1日
で、本人も、当事者家族も、「そんなこと言われたって、楽しめない」と、人生楽しむどころの騒ぎじゃなくて、逆にプレッシャーに感じてしまう人だらけなのが現状。
— 望月志乃🌞ADHDだヨ!全員遅刻 (@shinoegg) 2016年10月1日
発達障害者の一人として、何を望むのか
冒頭で紹介した通り、個人差によるところが大きく、傾向と対策の共有はできるが、「ADHDは、皆こうなんです」という断定ができない。全ての紹介文に(※個人差があり、すべてのADHDがそうだというわけではありません)という但し書きをつける必要があり、ひとくくりで語ることができない。
そして、複雑なものほど、「理解されにくい」し、「伝わりにくい」。ADHDを啓発しようとする時、単純化され、ひとくくりにされ、誤解されるリスクと常に隣り合わせ。
「ADHDだから、こうなのね」という理解の仕方は非常に危険で、「わたしは違うのに」と、合っていないこともある。
ADHD当事者として啓発記事を任されるようになって、「なんのための、誰のための啓発」なのか、たまに考えます。私が欲しいのは、世間からの同情や哀れみではないし、苦労自慢がしたいわけでもない。理解を広めるにしても、自分の体験談しかできないし、誤解を広めるリスクもある。#ADHD啓発
— 望月志乃🌞ADHDだヨ!全員遅刻 (@shinoegg) 2016年10月1日
この記事を読んだ方はこちらも読んでいます
「ADHDについて知ってほしい」というより、「ADHDという特性を抱えた、”ひとりひとり”を知ってほしい」というところに、キモがあるような気がする。血液型のように「ADHD型です」と自己紹介できるような世の中が私の理想。#ADHD啓発
— 望月志乃🌞ADHDだヨ!全員遅刻 (@shinoegg) 2016年10月1日
どうしたいかって、「堂々としたい」。
— 望月志乃🌞ADHDだヨ!全員遅刻 (@shinoegg) 2016年10月1日
ありのままで、レットにイットのGOできるようになりますように。
あと、みるみるうちに景気がよくなって、人々の心に余裕が生まれて、「うっかりミス?かまへんかまへん!」みたいなノリと空気になりますように。
現場からは以上です。
この記事を読んだ方はこちらも読んでいます
- 本当はみんな、自分の頑張りをただ認めて欲しいだけだったりして。
- 【大人の発達障害】ADHDとして産まれたことに胸をはりたい
- 赤すぐnet「みんなの体験記」にて、連載開始のお知らせ
- 私は発達障害者です。でも、代表者ではありません。
- 【嫉妬心の対処法】良いとこ取りしたい欲と、ないものねだりの罠
- ADHD持ち主婦&発達障害当事者ママ必見サイト・コミックエッセイ発見報告
- 「困った人」をありのまま認められるか問題(対処法の考察)
- 発達障害者は「ありのまま」でいてはいけないのか問題
- しつけで山に置き去りにされた7歳の子、よく家から閉め出された現在34の私。
- 【鬱レベル順】うつ病が回復するまでに私が試した7つの対処法【行動編】
コメント